骨折部の癒合日数は、骨折部位・年齢などによって異なる

骨折が生じた骨では、骨の中や周囲を走っている細い血管が切れて出血するために骨折部位は真っ赤な血液で染まりますが、太い血管が切れて出血量が多くなった場合は骨折部の外観が血液の塊で腫れたり変色します。

骨折1~2日後から骨折部の血液の塊に導かれて増えた骨を作る細胞は、糸のような弱い線維で骨折部を縛り付けて柔らかく固定します。

続いて、骨折1~2週間後には弱い線維に代わって硬い糊のような軟骨で骨折部を固めますが、やがて軟骨にカルシウムが沈着して弱い骨に置き変わりますと、骨折部は段々と硬く固定されます。この時期の骨折部をレントゲン像でみますと、骨折部が淡い骨で固められたように映りますので医師は骨癒合が始まったと診断します。

細い骨では骨折後約3週間、太い骨では約3カ月間で骨癒合と診断されますが、子どもではより早く、高齢者や低栄養の人ではより遅れて骨折部が癒合します。

偽関節について

血管の少ない硬い骨、骨折部への圧迫力が少ない骨では骨癒合が遅れます。骨折部がしっかりと整復・固定されず、いつまでも少しぐらついている状態では骨癒合が遅れ、時には骨癒合をしないこともあります。

骨折部で骨が繋がらず、動く状態が続けばレントゲン像で骨折部は関節の様に映り、これを偽関節と言います。図のレントゲン像は上腕骨骨幹部骨折を金属のプレートで固定し、ギプスで外固定されたのですが、患者さんの動きに耐えるほどしっかりと固定されてなかったために生じた偽関節です。

(図:偽関節を示す上腕骨骨幹部骨折のレントゲン像)

骨折後の固定期間中について

骨折後、レントゲン像で骨癒合が見られた後、6カ月~1年間は元の骨よりも弱いことが多く、その期間中には愛護的に負担をかけて生活をすることが望まれます。
骨折部位はしっかりと整復・固定することが望まれますが、粉砕したような骨折や小さな骨片では整復・固定をしにくいなど折れ方によってはしっかりと固定出来ないことがありますので、しっかりと固定するかどうかは医療機関にお任せする以外に方法がありません。

固定期間中は骨癒合の状況に応じた医師の指示に従い、慎重に動かしたり、体重をかけ始めることが患者さんにとって骨折部位をしっかり固定するための協力となります。このことから、下肢の骨折では固定期間中でも足を浮かして歩く時期や徐々に体重をかける期間は大切な骨折治療期間ですので、足元をしっかりと安定させて歩行し、万が一でもふらついて骨折部に余計な力を加えないようにしたいものです。