日本人は意外にカルシウムが摂れていない!
カルシウムは骨をつくる重要なミネラル成分で、丈夫な骨を維持するのに必要不可欠な栄養素です。ところが、実際にどれくらいカルシウムを摂れているかと言うと、厚生労働省が行った栄養調査(平成24年)によれば、日本人の1日当たりの平均カルシウム摂取量は499㎎と報告されています。一方で、同省による健康な人を対象としたカルシウムの推奨量は18~29歳で男性:800mg/女性650mg、30~49歳で男女ともに650mg、50歳以上になると男性700mg/女性650mgとされています。日本人の平均的な摂取量は、推奨量と比べてだいぶ少ないことが分かりますね。
なお、ここで示したカルシウム推奨量の成人期以降の数値は、成長期に推奨量を満たすカルシウム摂取を行った上で、十分な骨量が維持されていることを前提として算出されているので、現在骨量が少なめの人の場合、骨量を維持するためには推奨量よりさらに上乗せして800mg程度のカルシウムを摂る必要があります。
乳製品を中心に、いろんな食材をバランスよく食べよう
普段から3度の食事をきちんと摂っていれば、ある程度のカルシウムは摂れますが、それだけでは推奨量の650mgに満たないことが多いので、食事の内容にも工夫が必要です。
カルシウムを多く含む食物には、牛乳やチーズ、ヨーグルトなどの乳製品、小魚や小えびなどの魚介類、海草類、小松菜などの緑黄色野菜、豆腐などの大豆製品などがあります。このような食品を毎日、なるべく様々な料理で摂ることが望ましいでしょう。
そして、さらにカルシウムをプラスする方法として簡単なのは、毎日コップ1杯の牛乳を飲むことです。カルシウムは体内に吸収されにくい栄養素ですが、牛乳やヨーグルトなどの乳製品は他の食品に比べ吸収率の高い食品なのです。
乳製品には腸管でのカルシウム吸収を高めるカゼインなどのたんぱく質成分や、乳糖が多く含まれ、効率よくカルシウムを体内に摂り入れることができます。コップ1杯の牛乳(200ml)、またはヨーグルト1カップ(170g)で、200mg程度のカルシウムを摂ることができます。また、牛乳にはたんぱく質やミネラル、ビタミンなど、体にとって大切な栄養素もしっかり含まれています。一度に飲みにくい場合などは1日の中で何度かに分けて飲むなど、自分が飲みやすい方法で続けてみましょう。
なお、食事で補えないカルシウムをサプリメントで補っていらっしゃる方もいますが、サプリメントでは摂りすぎてしまったり、骨粗しょう症などで薬物療法を受けている方の場合は服用中の薬に影響することもありますので、服用前に医師に必ず相談するようにしてください。