咳で生じる肋骨骨折

圧迫骨折による背部痛、腰痛の予防と治療

骨粗しょう症で骨が弱くなっていると、転んだり外からの力が加わったりしなくても、ちょっとした衝撃で骨がつぶれて骨折を起こすことがあります。実はこの"ほんのわずかな力"による骨折が、骨粗しょう症の人には大変多いのです。 その原因のひとつが"咳"。特に激しい咳や長引く咳があると、骨折のリスクが大変高まります。 冬はかぜだけでなく、咳が生じるさまざまな病気にかかりやすいときです。それだけに、病気を予防すると同時に咳が続く場合は早めに受診をすることが大切です。

中がスカスカになってもろくなった骨は、
ちょっとした力がかかってもつぶれてしまう
(出典:浜松医科大学井上哲郎名誉教授)

咳で折れやすい肋骨

肋骨(ろっこつ)は骨が薄いために、ケガや事故などでも折れやすいのですが、咳やくしゃみをきっかけに骨折してしまうことも珍しくありません。

咳やくしゃみをすると、自分で思う以上の力が肋骨にかかって負担をかけます。若い人でも咳を繰り返していると、骨折してしまうケースもみられるほどで、骨粗しよう症で骨が弱くなっている人では軽い咳でも骨折してしまうことがあります。肋骨の先端が軟骨になっている部位もありますので、レントゲン検査をしても軟骨の損傷がわからないこともあります。

しかし、画像に映らなくても軽症とは限りません。胸のあたりに痛みが続くような場合は、早めに医師に相談するようにしてください。