ギプス固定中の過ごし方

ギプスをつけているとき・手術したとき
療養中の注意点と快適に過ごすためのポイントを紹介します。

患部を高くあげる(挙上)

骨折部の周辺は、炎症による腫れと、固定して動かせないためにむくみが生じます。 むくみ対策の基本は、患部を心臓よりも高くあげる(挙上する)ことです。
上肢(腕や手)・下肢(脚や足)の骨折では、固定した部分から先をできるだけあげ、腫れがひくのを促して末梢(手や足)がむくむのを防ぎましょう。
とくに夜眠るときは、枕やクッションをあて、心臓よりも高い位置にあげます。
下肢の骨折では、日中もときどき横になり、脚をあげるとむくみが改善します。
ギプスの縁などがあたって、血行を妨げないよう、枕やクッションのあて方を工夫しましょう。

スキンケア

ギプス固定中は、ギプスの中の皮膚がかゆくなることがありますが、とがったもので掻くなど皮膚を傷つけるおそれのある行為は避けましょう。
ギプスの縁で皮膚がこすれ赤くなって痛む、中でギプスがあたるなどの場合は、医師や看護師に相談してください。低刺激のローションやクリームで改善することもあります。
表に出ている部分は、できるだけ清潔を保つことが大切です。お湯で絞ったタオル(ホットタオル)で拭いたり、ローションなどを塗りながらマッサージしたりすると血行もよくなります。
表に出ている部分は、ホットタオルで拭いたり、ローションを塗りながらマッサージするなどこまめにケアをしましょう。

炎症が治まったら冷やさない

腫れや赤みなど炎症の症状がある期間を「急性期」といいます。
急性期は、冷やして炎症の広がりを抑えることが大事ですが、炎症が治まったら、リハビリ、入浴、部分浴などで血行をよく保ちましょう。
こんなときは診療所・病院に連絡を
ギプス固定中はギプスの中を直接見ることができないので、痛みなどの感覚、ギプス周辺や末梢の皮膚の様子を観察して、ギプス内でトラブルが起こっていないかどうかチェックします。 次のような場合は診療所・病院に連絡しましょう。
  • 痛みがだんだん強くなる
  • 腫れなどのためにギプスがきつい
  • ギプスがあたる場所がありつらい(縁、内部)
  • 手足の場合、末梢が冷たくなったり、紫色になったり、感覚が鈍くなったりしたとき
  • 指など、動かせていたところが動かせない
場合によっては、ギプスを一度はずして中の状態を確認し、新たに固定し直す必要があります。
ギプスがあたっている皮膚に傷ができたり、神経が圧迫されていたりすることもあるので上記のような症状があるときは遠慮なく診療所・病院に相談しましょう。